2013年02月28日

<収録作品は『小説作法十則』などです> 芥川龍之介全集(7) [ 芥川龍之介 ](販売ショップ:楽天ブックス)



■目次
評論(短歌雑感/或悪傾向を排す/芸術その他/漢文漢詩の面白味/仏蘭西文学と僕/一批評家に答う/僻見/文部省の仮名遣改定案について/「私」小説論小見/「わたくし」小説に就いて/近松さんの本格小説/滝井君の作品に就いて/侏儒の言葉/文芸雑談/芝居漫談/今昔物語に就いて/文芸的な、余りに文芸的な/続文芸的な、余りに文芸的な/文壇小言/明治文芸に就いて/小説作法十則/10本の針/西方の人/続西方の人)/俳句論(発句発見/凡兆に就いて/芭蕉雑記/続芭蕉雑記)


■青空文庫から『小説作法十則』を一部抜粋
 一 小説はあらゆる文芸中、最も非芸術的なるものと心得べし。文芸中の文芸は詩あるのみ。即ち小説は小説中の詩により、文芸の中に列するに過ぎず。従つて歴史乃至伝記と実は少しも異る所なし。
 二 小説家は詩人たる以外に歴史家乃至伝記作者なり。従つて人生(一時代に於ける一国の)と相亘(あひわた)らざるべからず。紫式部より井原西鶴に至る日本の小説家の作品はこの事実を証明すべし。
 三 詩人は常に自己の衷心を何人かに向つて訴ふるものなり。(女人をくどく為に恋歌の生じたるを見よ。)既に小説家は詩人たる以上に歴史家乃至伝記作者なりとせん乎、伝記の一つなる自叙伝作者も小説家自身の中に存在すべし。従つて小説家は彼自身暗澹たる人生に対することも常人より屡々ならざるべからず。そは小説家自身の中の詩人は実行力乏しきを常とすればなり。若し小説家自身の中の詩人にして歴史家乃至伝記作者よりも力強からん乎、彼の一生は愈出でて愈悲惨なるを免れざるべし。ポオの如きはこの好例なり。(ナポレオン乃至レニンをして詩人たらしめば、不世出の小説家を生ずるは言を俟たず。)



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posted by 7876 at 19:29| 小説